YAMAGATA CREATIVE CITY CENTER Q1

入居テナント紹介 [2-I][2-J]
汽水域

太田崇史さん、藍さん


Q:これまでの七日町二丁目からQ1へ店を移転する理由を教えてください。

七日町シネマ通りにある築100年ほどの古い建物を借りて、そこにわたしたちが金属工芸の店「汽水域」をオープンしたのは2017年9月のことです。2022年でちょうど丸5年になろうとしていたのですが、店舗を構えていたその場所のあたりで山形市の道路拡張工事が進行しており、立ち退きをしなければならない状況となりました。そこで新しい移転先を探していたときに知ったのがこのQ1です。わたしたちが次のフェーズに移行しなければならないまさにそのとき、このQ1がオープンするという絶妙なタイミングであったこと、そしてQ1もまた築100年ほどの歴史ある建物であること、この場所を気に入ったことから店舗を引っ越すことに決めました。

Q:汽水域という店にとって、このQ1という場所のどこが良かったのでしょう。

わたしたちの店は店舗であると同時に金属工芸の「工房」でもある、というのが特徴です。金属を溶かしたり溶接したりするために火を使うこともありますし、制作の作業のときには大きな音も出るんですね。ですから、それを許容してくれる空間でなければならないのですが、そういう場所を見つけるのは案外難しいのです。その点、Q1という建物はそれを許容してくれる空間だったということがまずひとつ大きなポイントでした。そしてまた、店舗スペースもこれまでよりも広いので、いままでやりたいと思ってもできないでいたことをいろいろやれそうだ、と可能性を感じました。

例えばこれまでは1階が店舗、2階が工房というように完全に区切られていたので、工房兼ショップであることがお客様に伝わりづらかったんです。また、工房でワークショップをひらくと、かなり限られた空間だったため3人座るくらいがやっとという感じで、コロナ禍となるとそれすら厳しい状況でした。でも、Q1でなら、ひとつの空間のなかで工房兼ショップであることを表現できると思いました。金工作業やその雰囲気をリアルに感じてもらえますから工房感がぐっと強まりますし、ワークショップもより多くの方に体験していただけるようになるはず。そういう意味ではお客様にとっていままでよりもさらに金属工芸というものを面白く感じていただけるショップになると思いますし、じぶんたちとしても制作しながら販売できることでよりよい店舗運営ができると考えました。

Q:Q1で新たに店舗をひらくことで、これまで以上に素敵なお店になりそうですね。

そもそもわたしたちが七日町に店舗をひらいたのは、かつて賑やかだった山形市中心部にもういちど元気になってほしいからです。新しい賑わいが少しでもまた生まれて、多くのひとが歩くようなエリアになってほしいです。シネマ通りからQ1に移転しても、中心街から離れるわけではないので、これからもやまがたの街をすこしでも賑やかにしたいですし、そのための一助になれればという想いでいます。

Q1という場所は、決してアートやデザインが好きな人たちのためのものではなく、ふつうに街を歩いているおじいちゃんおばあちゃんや小さなお子さんまで幅広い世代のひとたちがふらっと気軽に来て楽しめるものになってほしいと思っています。たくさんの新しい出会いを通して、わたしたちも、ぜひギャラリーをやったり、体験教室やワークショップをやったりというような新しいチャレンジもやっていきたいですね。

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