YAMAGATA CREATIVE CITY CENTER Q1

入居テナント紹介 [3-D]
Steve* CREATIVE LOUNGE

太田伸志さん


Q:Steve* inc.は、どんな会社ですか?

企業や商品などの広告・ブランディングをはじめ、商品やキャラクターの開発、教育・地域活性・文化的な活動の支援まで、複雑になってきているクライアントの悩みを「クリエイティブ」で解決する会社です。特徴としては、企業やブランドの在り方を改めて考えるためのビジョンやミッションの策定から、CIやVI、商品ネーミングやプロダクト開発、その他映像やWebサイトなどのデザインまで、プロジェクトスタート当初から両方繋げつつ同時に生み出し続けていることだと思います。

通常、「クリエイティブ」と聞くと、グラフィックですか?映像ですか?Webですか?と、どのようなメディアで何を制作するのかによって、専門の会社に分業化されたり細分化されたりしていくことが一般的ですが、僕らは5年前の創業当時からそういうやりかたはしていません。サッポロビールさんと行っている新しいビールのD2Cブランド「HOPPIN’ GARAGE」では、どうやってそのビールが生まれるのかを工場へ訪れて学び、ブリュワーさんや事業部のみなさまと試飲を重ねながら商品開発のアイデアを考え続けています。アダストリアさんの「LAKOLE」では商品の並べ方やオペレーションの仕組みを店舗へ訪れて学び、MDやプレスなど事業部のみなさまから商品の仕入れ数や販売戦略などもお聞きした上で、最適なクリエイティブのご提案をさせていただいています。

「デザインは良いけど」という言葉がありますが、僕らにとってはその言葉は全然嬉しくありません。商品の本当の価値が認められ、売上が伸び、事業が成長し、開発に携わるすべての人が笑顔になってこそ、やっとデザインに意味が生まれるものだと思っているからです。企業やブランドや商品やさらには企業そのものを3年後、5年後、10年後までどうやってスケールさせていくのかということを、クライアントと一緒に、経営者と同じ目線になってサポートすることで実現を目指すべきという考え方です。そうやって中長期的な視点に立って継続的に一緒に取り組んでいくスタイルなので、個人の専門性だけで勝負するのではなく、その都度最適なクリエイティブを自由に組み合わせて発想できるように、さまざまなカテゴリーを横断した多様性のあるスキルを内包することが必須だと思っています。

Steve* inc.が掲げるタグラインは「MY FIRST CREATIVE PARTNER」。FIRSTは「いちばんの」「はじめて」という意味があります。クライアントが、まだやったことのないはじめてのこと、新しいチャレンジに向かうときの一番のパートナーでありたいという願いを込めています。「覚悟を決めて一緒にやるならスティーブさんしかいない」って、さまざまな業種の方から言われたいですね。

Q:東京にオフィスを構えながらも東北のQ1に入る、そのねらいは?

そもそも、僕は東北が大好きです。宮城県の丸森町で生まれて高校まで実家から通い、大学時代やシステムエンジニアとして就職してからも仙台でしばらく過ごし、東北各地の居酒屋で各地域に根付いている日本酒を飲んで過ごすのが大好きでした。丸森町も仙台市も宮城も山形も福島も岩手も青森も秋田も大好きで、東北から離れたくありませんでした。東京に出たのはどうしてもデザインの仕事がしたかったから。そして、デザインの仕事は東京にしかない時代だったからです。おかげさまで東京オフィスは25名ほどの規模になりましたが、「仕事が東京にある以上、東京からは離れられないだろう」という想いがずっとありました。

ところが、コロナによって状況が変わりました。弊社もフルリモートでの仕事を余儀なくされたわけですが、しかし、それによってクライアントとのコミュニケーションが悪くなったかというとそうでもなく。むしろ頻繁に連絡するようになったり、物理的な距離に関係のない仕事の受注も増えてきたり……ということが見えてきて「あれ?東京に張り付いていなくてもいい時代なのかも」って。そこで、今年の6月から実家のある宮城県丸森町に移住をし、東北芸術工科大学の講師として山形に通ったり、日本酒の連載の仕事で仙台に通ったり、時々東京へ行ったりという東北中心の生活スタイルに切り替えました。

誤解の無いようにしたいのは、東京が嫌いなわけでは無いです。むしろ20年過ごした街である東京は僕にとって第二の故郷というか、がむしゃらに仕事を頑張ったおかげで、一生信頼できる仲間に出会えた街。大好きになりましたし、たぶんこれからもずっと大好きです。だからこそ、東京にいてくれる仲間に背中を預けつつ、広い世の中と正面から向き合って勝負してみたいと思いました。そのためのQ1入居です。これまでもあらゆる建物や空間を見てきましたが、この「山形市立第一小学校旧校舎(=旧一小)」という場所に、1秒でグッときました。校舎に刻まれた古い歴史を感じられると同時に、隣の新校舎で子どもたちが学んでいる新しい時代の予感の間に漂っている感覚が、すごく面白いと思いました。また、この校舎の残すべきところを残し、新しさを柔軟に取り入れて価値を高めるというリノベーションのセンスにも共感しました。ここに集まるテナントさまとも、企業のみなさまとも、もちろんQ1の運営スタッフのみなさまとも、新しいコミュニティの可能性が生まれるような印象を受けたのも決めての一つですね。

Steve* inc.がこのQ1という場所を使って何をするのかははっきりと決めていません。決めたく無いという言い方のほうが正しいかも。東京の仕事も一緒にやりながらかとは思いますが、とにかく、いわゆるサテライトオフィスにはしたくないですね。何かの目的があるわけでもなく、とりあえずみんなが集い、リアルに対面し、一緒にコーヒーを飲んだり、時にはお酒を酌み交わしたりしながら「面白いこと考えた!」という発言が飛び交う場になればと思っています。名称も「東北オフィス」や「山形オフィス」ではなく「Steve* CREATIVE LOUNGE」。クリエイティブの新しい可能性を探る拠点にしたいという強い願いを込めています。この空気感を味わってもらうために、東京のメンバーも時々呼びたいですね。わざわざ家を出て閉じこもった空間で作業をして家に帰る時代は終わりました。家を出て辿り着く仕事場という空間は、もっと発見や驚きや刺激に満ちた場所であるべきなのかなと。そういったものを求め続ける人と、これからも一緒に働いていきたいと思っています。あ、東北での採用も強化中なのでぜひ弊社Webサイトからご応募ください。

Q1で自然発生的に生まれる出会いやコミュニティから、クリエイティブカンパニーである僕らができることの新しい可能性が生まれる……みなさん、学生時代を思い出してみてください。そもそもここは学校ですから、とりあえず来てみると仲間がいて、「どうする?」みたいな話をする、というのがあたりまえ。クリエイティブの仕事というのは偶然性の発見が大事でもあるので、「偶然を意図的に起こす」ための場所として、ここは最高のスポットなのではないでしょうか。さて、どうなるのでしょう、僕も小学一年生に戻ったような気持ちがして、楽しみです。

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