YAMAGATA CREATIVE CITY CENTER Q1

入居テナント紹介 [1-H]
famAA

深井聡一郎さん、アイハラケンジさん、三浦晴子さん


Q:famAAって、なんですか?

famAAは、「ファマ」と読みます。アートとその周辺を扱うコマーシャルギャラリーです。コマーシャルギャラリーというのは、わかりやすく言うと音楽業界で言うところの「レーベル」に近いでしょうか。才能あるアーティストと契約し、マネジメントするもの。そもそもいまの東北には、表現としてのアートや教育としてのアートがある一方で、流通するアート、お金になるアートというものがほとんどなく、コマーシャルギャラリーもほとんど見当たりません。そういう状況に対して何らかの行動を起こしたいという強い想いがあり、わたしたち自身がその役目を担いたいと思いました。

famAAの「fam」は、運営メンバーであるわたしたち3人、深井(fukai)、アイハラ(aihara)、三浦(miura)の頭文字をならべたもの。「AA」は、Around Artsという言葉からとりました。「アートと『その周辺』」とあえて言うのは、アールブリュットやアウトサイダーアート、デザインとアートの狭間にあるような作家や作品、写真や映像などの「メディア」をベースにする作家、音楽やパフォーマンスといったような形に残りにくい表現など、これまでアートギャラリーの枠組みではきちんと取り上げられてこなかった表現というものもわたしたちは積極的に扱っていきたいと考えているからです。

作家がつくった作品をただ単に壁にならべて売るだけの画廊ではありません。また、作家の展示を企画するというだけのものでもありません。言ってしまえば、所属した作家の人生をいっしょに背負うというくらいの覚悟で、作家と二人三脚で、共犯関係をつくってやっていこうと思います。イギリスのインディーズレーベルからOasisのような世界的なバンドが生まれていったように、わたしたちの視線の先にあるのはこの東北の地から世界にその名を響かせるようなアーティストを生み出していくことです。

Q:Q1から、世界的な作家を発掘し、売っていくということですね?

すでに価値のついたものをその価値のまま売っていくのがふつうの画廊なら、わたしたちの役目は、まだ価値のついていないものにどのように価値をつけていくか?ということになるでしょう。また、すでに価値があると認められているのなら、さらにその価値を高めていくことかもしれません。優れた才能に対して価値づけをし、その価値をつけたことの正しさを証明していく。それが、コマーシャルギャラリーとしてのマネジメントです。その活動が彼らの創作活動を支え、それによって作品世界が豊かになる、という循環が生まれるのです。

たとえば、村上滋郎さん。東北芸術工科大学の洋画コースで教鞭をとるアーティストですが、一方でアーティストコレクティブ「アメフラシ」を結成し、地域の食材を活かしたブルワリーをつくってクラフトビールを製造したり、廃工場再生プロジェクトで伝統産業の継承に取り組んだりとユニークな活動をしています。いわば町おこしのような彼の活動もアートとして提案することに大きな可能性を感じます。また、山形のデザイナーである吉田勝信さんのようなデザインとアートの狭間にいるような人を積極的に紹介していくことも計画しています。

また、山形で言えば、すでに亡くなった作家でスガノサカエさんという画家がいます。彼の作品については生前から、そして死後となったこれからもマネジメントしています。彼の作品をこれからもアートに理解のある方たちに見てもらい、正当な価値づけをして販売したり、国内外に向けて発信したりすることになるでしょう。

そして、エイブルアートやアールブリュットアートといわれる障害のある人たちの表現活動についても積極的に取り上げたいと思っています。非常に自由に描かれた作品が膨大に生まれている状況があるにもかかわらず、東北ではまだまだきちんと掘り起こされていません。それをしっかりとアートの領域へと背中を押してあげるような取り組みをわたしたちがやっていきたい。そうすることによって、障害者の方たちだけでなく、その支援をしている方たちやケアに携わる方たちにとっても大きな支えができるのではないか、社会に開かれたものになっていくのではないか、と思います。

コマーシャルギャラリーであるわたしたちの他にも、Q1には芸工大ギャラリー「THE LOCAL TUAD ART GALLERY」や生活とアートを扱うギャラリー「ROOTS & Technique」があります。ひとつの施設のなかにいろんなタイプのギャラリーが併存しています。それはアートを見る人にとってすごく面白いことになるはず。Q1というこの場所は、美術をたのしみたい人にとっては、めざすべき新しい目的地になることでしょう。山形の観光にとって、最高に良いことだとおもっています。

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