YAMAGATA CREATIVE CITY CENTER Q1

入居テナント紹介 [2-K][2-L]
探究教室ESTEM

大垣敬寛さん


Q:探究教室ESTEM について教えてください。

ESTEMは、いわゆる「塾」とはちがい、英数国といった科目はありません。わたしたちが大切にしているのは、ひとりひとりが興味あるものを見つけ、深めていくということ。どんなことでもいいから自分が得意な分野をつくって、そこで活躍できるようお手伝いをしています。

ESTEMでは興味を広げ、深めるために、科目横断的な授業を3つのコースでご提供しています。好奇心を刺激し、興味あるものを見つけていこうという「探究コース」。興味あるものについて自分のあたまで考え、どんどんアウトプットする「学び実践コース」。そして考えを形にする力を育む「プログラミングコース」です。

もちろん、子どもたちのなかには、自分がなにをやりたいなのかわからない、なにが好きなのかまだわからない、という子もいます。そういうこどもたちにとっての入口になるのが「探究コース」です。たとえば「お金の教室 投資編」という授業では、生きていくうえで欠かすことのできないお金とのつきあいをさまざまな角度から実践的に学びます。他には、「自然から学ぶ美しさの科学」という授業もしています。ここでは、たとえばフィボナッチ数列やビスマス鉱石など、自然界にあるさまざまな美しいものについて学びます。面白いと思える世界と出会うきっかけをつくれるよう、理系文系問わずいろいろな分野の様々なテーマの授業を用意しています。

「学び実践コース」では、アウトプットを重視しています。たとえば「ボードゲーム発明体験」という授業では新しいオリジナルのボードゲームをつくる、ということにチャレンジしてきました。試行錯誤の結果、想像以上に面白いゲームが完成したので、今度はそれを商品化して売っていくためにクラウドファンディングにも挑戦しました。子どもたち自身でチラシをつくり、貼ってもらうようお店に頼んでみたり、SNSを運用してみたりということまでやってみました。こうしてどんどん新しいことにチャレンジすることが、すこしずつ成功体験を積み重ねていきます。思いついたらすぐにやってみることができるよう、パソコンや3Dプリンター、VR、工具、実験器具などさまざまな道具や実験環境を用意しているのもESTEMの特徴です。

また「プログラミングコース」でも、「この夏に新しいダンススクールを立ち上げるから、そのホームページをつくってほしい」という方からの依頼を受けて、いま小中学生の子どもたちが取りくんでいます。ここでも実践的な、生きた課題に向き合うことを大事にしています。

どのコースにも共通するのは、社会と自分が学んでいることが直結していることです。学んだことを実際にやってみて、「あ、こういう知識が必要なんだな」ということがわかって、また勉強し、そしてまたやってみる…。ESTEMは、アウトプットとインプットを行き来しながら力をつける学びの場なのです。

Q:このQ1という場所にまた新たに探究教室をひらくのは、なぜでしょう?

これまで米沢を拠点としてきましたが、山形市在住の方たちからもたくさんの問い合わせをいただいていたので、山形校をつくりたいと考えていました。可能性のある場所を探していたときに見つけたのがこのQ1です。子どもたちが自由に学んだり、いろんなことを体験したりするための空間として最適ですし、すでに学舎としての役割をいちど終えた場所でまた新しい教室をひらくというのも面白いと思いました。

Q1にはさまざまな事業者さんがいるということも、この場所が良いなと思った理由のひとつです。たとえば今、モンテディオ山形さんと一緒に「モンテディオの試合に高校生が高校生1,000人を動員する企画を考え、実行する」というプロジェクトを進めています。地域の企業と連携し、企業からリアルな課題をもらい、子どもたちが一緒になってそれに取りくむようなこともぜひ挑戦していきたいと思います。事業者の方や大学の先生など専門家の方たちからいろいろな話を聞けるのも、子どもたちにとってすごく良い経験になりますし、好奇心を刺激してくれると思います。

地域を盛り上げていくためには、やはり教育が重要だと感じています。とくに、じぶんからなにかアイデアを考え、みずからそれを実行することができるひとを育てたい。いつも新しいことにワクワクするようなひとになってほしい、という想いがあります。このQ1にひらく探究教室ESTEMは、そんなひとを育てる場所にしていきたいです。

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