YAMAGATA CREATIVE CITY CENTER Q1

【レポート】ROOTS & School 特別授業 vol.2 動画制作入門〜自分で動画を作ってみよう〜


2024.12.17

2024年10月14日、やまがたクリエイティブシティセンターQ1 シアタースペースにて、「ROOTS & School 特別授業 vol.2 動画制作入門〜自分で動画を作ってみよう〜」が開催されました。
講師を務めたのは、映像制作チームBright lightを率いるディレクターであり、レンタルスタジオCLASS STUDIOを運営している片桐賢久さんです。

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ワークショップ当日の模様。中央奥が講師の片桐賢久さん

2017年ユネスコ創造都市ネットワークに加盟認定された山形市は、世界が認める映像都市。映画をこよなく愛する市民や団体があり、また、まちには映像にまつわるさまざまな文化や物語が蓄積されていることが高く評価されています。今回のこの特別授業(=ワークショップ)は、そんな映像都市やまがたに生きる市民がじぶんのカメラやスマートフォン、PCなどを活用して素材集めから編集、仕上げまでに必要とされる映像技術を学べる機会を提供するもの。実際、このワークショップ企画への参加申込み開始が情報発信されると、定員枠はあっという間に埋まり、すぐに締め切られたとのことで、動画編集や映像作品づくりといったものに対する市民の興味関心の高さが窺えます。

一般的に「じぶんで動画をつくりたい」「たくさんの人に楽しんでもらえるような映像を発信したい」という欲求やニーズが高まってすでに久しい状況が続いている一方で、実際にじぶんで制作を行うのはやっぱりハードルが高い、といまだに感じている人も少なくないようです。その理由としては、動画制作に使うデバイスの選択肢がさまざまあることや、こだわれば機材の購入には高額な出費が伴うこと、編集ソフトにもいろいろあってその扱いも複雑で難しそうなこと、録音の技術や編集も必要であることなどが考えられるかもしれません。このワークショップは、まさにそういう「やりたいけれど、ちょっと……」と悩んでいる背中をそっと後押ししてあげることにより、その人が動画制作クリエイターとして一歩踏み出せるようになる、ということを想定しているのではないでしょうか。映像都市らしい学習機会のように感じられます。

さて、当初予定されていた定員枠より1名多い、総勢11名の参加者のみなさんの顔ぶれは、実にさまざまなものでした。30歳から70歳代までと年齢の幅もかなり広く、「動画制作についてはまったくの素人」という方から「じぶんでドローンを飛ばしている」という人まで経験値もバラバラ。「なにか新しいことにチャレンジしてみたくて」という人、「じぶんの事業を動画で紹介していきたくて」という人、「写真が趣味だけど動画はまだやれてないので」という人、「GoProを買ったまま眠らせてしまっているのでなんとか活用したくて」という人などなど、事情も動機もそれぞれ特有のもののようでした。

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今回のワークショップのプログラムは、「撮影レクチャー」「フィールドワーク(撮影)」「編集レクチャー」「各自編集作業」というような内容によって構成されていました。「撮影レクチャー」では撮影前のカメラ設定にはじまり、絞りやシャッタースピードやISOなど撮影の基本的理解、そもそもなにを撮るのかを意識することの大切さ、構図の基本的な考え方などについて講師の片桐さんから解説がありました。その後は、参加者がじぶんのカメラを持って「フィールドワーク」に出かけ、映像素材をじぶんで集める作業を行いました。そして「編集レクチャー」で編集ソフトの基本的な使い方を学び、あとは実際にじぶんで編集作業をやってみる、というような流れです。

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各自カメラの設定を確認し(写真上)、フィールドワークで撮影へ(写真中)。編集ソフトの基礎を学ぶ(写真下)

こうした今回のワークショップの内容について、講師の片桐さんは次のように語っています。
「どのような方にご参加頂けるか事前にはわかりませんでしたし、動画制作ワークショップの第1回ということでもありましたので、ひとまずは初心者の方にご参加いただく想定で、初めてチャレンジする方にもわかりやすく学んでいただけるような内容にしました。また、実際にわたし自身が映像制作をするうえで大切だと考えているのは、編集テクニックよりも『制作者がどのような考えで、どのように撮影するか』ということです。ですから、レクチャーでお伝えしたことをそのままみなさんにやっていただくというようなことではなく、参加者一人ひとりがじぶんの視点や想いを表現できるように…ということを念頭に置きました」

午前10時から午後3時まで、ワークショップは実に5時間にもわたりました。長時間にもかかわらず、終了ギリギリまで参加者のみなさんは編集作業に没頭されており、非常に内容の濃いものになっていたように見受けられました。

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「今回は初心向けのものとはいえ、内容は結構ハードなものでした。撮影前のカメラの準備にはじまり、実際に撮影をやって、さらにはそれを実際にソフトを使って編集するという、作業ボリューム的にかなりやるべきがたくさんあったからです。作業量が多かったぶん、時間が足りなくなってしまったところもあったかもしれません。
そもそも編集というのは、決まったやりかたがあるわけでもありませんし、細かいことを追求していけばキリがありません。次回以降の動画制作ワークショップでは、今回よりもうすこし的を絞って映像制作を学ぶ時間にしていけたら、と思っています」と片桐さんは総括されていました。

次回の動画制作ワークショップは、2024年12月22日に開催予定です。
詳しくはこちら「【ROOTS & School 特別授業vol.5】 動画編集入門〜自分で動画を編集してみよう〜」

─那須ミノル(real local 山形)─

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