一般社団法人 HAKUTAI
代表理事 大城誠司さん
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Q:どのような活動をされているのでしょうか。
地域で排出されゴミとなる植物残渣を有効活用してアップサイクルし、製品化する、という取り組みをしています。一例として、現在進行中のプロジェクトをご紹介します。さくらんぼの畑では、剪定という作業によって木の枝が切り落とされてしまうのですが、この剪定枝はふつうであれば畑にそのまま放置されたり、ゴミとして燃やされたりします。わたしたちはそうなる前にそれらを農家さんからいただいてきて、粉砕してチップにし、さらに細かくパウダーにして、和紙にして、繊維状にして、撚って糸にして、そしてその糸で服をつくる、というようなことをやっています。こうした過程のすべてをわたしたちが自力でやるということではなく、できる限り地域の様々な企業さんと協力して、地域にすでにある産業や技術の力を組み合わせることで、そのような新しい価値として創出していきます。
こうした取り組みを、さくらんぼだけでなく、尾花沢のスイカのつるとか、つや姫のモミ殻とか、さまざまなもので展開していけたら、と準備をしているところです。
(さくらんぼの剪定枝をアップサイクルするプロジェクトによって段階的に生み出されていったものたち。チップ、糸、そして最終形であるシャツ。)
商品化して終わりということではなく、売れる仕組みづくりもやって、地域の中で新しい経済をつくって、原料を分けてくださった農家さんにも還元していく、というような経済循環までもつくっていけたら、と考えています。
そもそもわたしたちの周りにあるモノは、特に衣服などはまさにそうですが、海外で安く買える原料を別の場所に運んで安くつくって、それをまた飛行機などでどこかに運んで売っている、というものが多いですよね。そういうモノは確かに価格としては安いけれど、ロジスティクスのコストもCO2排出も非常に膨大なわけです。そうではなく、無駄な移動もCO2排出も不要となるようなやり方で、地域にある原料から新しい価値や経済を生むということを地域の中でやってみよう、というのがわたしたちの目指すところです。
Q:活動の場所としてこのQ1を選んだのは、どのような理由でしょう。
サステイナブルなこの活動との親和性がとても良いと考えたから、です。地域資源を有効活用して新しい価値をつくりましょうというメッセージが真ん中にあるのに、ピッカピカの新築のビルの中でやっていてもあまり説得力がないので。Q1は100年前の建物をリノベーションしてアップサイクルした場所ですから、これから多くの人にわたしたちの活動を理解してもらうためにも「やっぱりここしかない」という想いで入居を決めました。
Q:このQ1に入居して良かった点はありますか。
空間としてとても快適なので、気に入っています。オフィスだけでなく、テナント入居者のための共有ラウンジもすごく落ち着ける場所になっていて、よく利用しています。仕事の打ち合わせがあるときには、仕事相手の方から「まだ行ったことがないから、Q1に行ってみたい」という声が上がることも多いですし、実際においでいただくとわたしたちの活動についてもご理解をいただきやすい、と感じています。
これから少しずつ、他の事業者さんとのコラボレーションとか、Q1のイベントに参加するとか、そういうことも前向きにやっていきたいですね。