PlayQ ✕ ROLLING MOUNTAIN
PlayQ(プレイキュー)は、「こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する」をコンセプトに、クリエイティブとテクノロジー、ビジネス、そしてエコロジーの4つの領域を行き来できる山形・東北らしい新しい人材育成を目指した、株式会社Q1と山形市が主催するプログラムです。
2024年度のPlayQアーティスト招聘プログラムでは、山形ゆかりのアーティスト永岡大輔さんと、「表現する大人たちに会いに行く」をテーマに、中高生向けアートの学校「ROLLING MOUNTAIN COLLEGE」(ローリングマウンテンカレッジ)を開校します。
アーティストやデザイナーのアトリエを訪問したり、美術館の展覧会を見にいったり、大学の先生の自宅を訪問したりしながら、「表現する大人たち」と出会う中で、一人ひとりの中にある「何か」を感じ、掴み取る連続授業を展開します。最後の授業ではそれぞれが感じた「何か」を表現し発表してもらいます。
直写でお互いの自画像を描き合う(左:永岡大輔、右:吉田勝信)
一応ここは〈表現〉のための学校ということにしよう。
なぜかと言えば、〈表現〉というものは世界中のあらゆるものの根底に流れていると言えるから。だから、土地を耕そうと、魚を捕まえようと、お店を始めようと、車を運転しようと、大まかに言えばそれら全ては誰か、あるいは何かに向けた〈表現〉ということができる。要するに、これからみんなと挑戦することを何かに限定したくないということと、ひとりで何かを始めても結局誰かが関わってくるし、誰かと関わっていても最後は自分でやるしかない、ということが伝われば良いかな。
この学校では、色んなめずらしい大人の、驚くほど自由で生真面目な現場を訪ねてみようと思う。そしてその人たちから、「何か」を手渡してもらおうと思う。ただ、その「何か」というのは、クリスマスプレゼントのように美しく包まれたものではなく、受け取る君たちが見つける〈生〉(なま)のものだ。だから、これを受け取ってほしいとか大切だとか、そういう面倒なことは一切いわない。一人ひとりがそれぞれの「何か」見つけることがいいのだと思う。そういうものは、人生の中でいつかきっと役に立つはずだ。まぁ、そう簡単には見つからないことだってあるかも知れないのだけれど。
なぜこんなことを僕がいうかと言えば、僕の身の回りに大きな変化があったからなんだ。みんなも、いつも通りの日常が急に変わってしまうことを経験したことがあると思う。例えば昨日までは先生から優しく教えてもらっていたのに、突然今日からは自分でやるしかないことになるような。でもね、社会とか大人になるって、本当はこんな感じなんだろうと思う。だから君たちと、そんな険しくて自由な世界を勇気を持って自分のやり方で一緒に歩いてみる時間を持ってみたくなった。約半年、長いような短いようなこの時間を、悩みながら楽しく堂々と旅するように過ごしてみたい。
さぁ、一緒に出かけよう。
永岡大輔による《雑草研究所》(畑の中に一切人の手を加えない一画をつくり、大地の再野生化を試みる研究)
永岡大輔による《球体の家》(人が球体状の家に住んだらどうなるかの実験と研究)
日時:10/14[月祝]13:00〜14:30
場所:やまがたクリエイティブシティセンターQ1 3階[StudioQ]
※申込不要・参加自由
Q1にて、プログラムの趣旨や実施内容について説明する会を実施します。詳しい内容を知りたい、参加してみようと思っているけどどうしたら良いかわからない、といった質問や疑問にお答えしながら、簡単な前提事業を実施します。(※申込なしでの参加・保護者の参加もOK)
日時:10/26[土]13:00〜16:00
場所:吉勝制作所(大江町)
大江町にある、デザイナー・吉田勝信さんの仕事場を訪問します。〈表現〉を使って世の中の課題を解決していく仕事をする「デザイナー」とはどういう人なのか、どのような事を考え、どのように生活しているのか、またデザイナー自身が手掛ける仕事を前にして、〈表現〉について皆さんと考えてみたいと思います。
日時:11/10[日]13:00〜16:00
場所:山形美術館(山形市)
山形美術館の学芸員・岡部信幸さんが手掛ける展覧会、三瀬夏之介展「ゆらぐ絵画」を見に行きます。アーティストの〈表現〉に寄り添いながら、作品を調査・発掘し、それらを展覧会として世の中に提示していく学芸員の仕事を前にして、〈表現〉について皆さんと考えてみたいと思います。
※チラシの日時表記に間違いがありました。正しくは11/10[日]13:00〜16:00となります
日時:12/14[土]13:00〜16:00
場所:山形市内
山形大学で考古学・人類学を研究する、松本剛さんの自宅に訪問します。考古学・人類学は、いわば人間の営みの中に潜む〈表現〉を調査・研究する学問です。松本さんご自身も、自分で家を作ったり、近くの山で狩猟をしたりと、自分の生活を〈表現〉している方です。大学教授の生活を前にして、〈表現〉について皆さんと考えてみたいと思います。
日時:1/25[土]13:00〜16:00
場所:山形市内
山形市内にあるアーティスト・永岡大輔さんのアトリエを訪問します。球体型の家を作っている永岡さんが普段どのようなことを考え、どんな活動をしているのかに迫ります。アトリエには永岡さんが作品づくりで生まれた実験道具もあるので、それを見たり体験したりながら、私たちの暮らす世界についていつもとは違う視点から考えてみたいと思います。
日時:3/2[日]13:00〜16:30
場所:やまがたクリエイティブシティセンターQ1
※参加自由(どなたでもご参加いただけます)
報告会と題してそれぞれの授業にご参画いただいた教諭陣をゲストに、特別ワークショップやクロストークを展開し、山形における表現やアートについて、みなさんと考えてみたいと思います。今回のイベントは、中高生のみならず大人の方々含め、どなたでも参加可能としますので、みなさんのお友達やお知り合いの方々にもぜひお声がけください。また、ご父母・ご家族の方々のご参加も歓迎します。2部構成の授業となります。
●第1部 吉田勝信先生による特別ワークショップ 13:00〜14:30
●第2部 教諭陣によるクロストーク+報告会 15:00〜16:30
※日程と授業内容が変更となりました
※他、オンラインでの報告会・企画会議などを随時おこないます
山形県生まれ、横浜市在住。記憶と身体との関係性を見つめ続けながら、創造の瞬間を捉える実験的なドローイングや、鉛筆の描画を早回しした映像作品を制作。制作の痕跡が意図的に残される作品は、作者の記憶ばかりではなく、失われた時間の痕跡としての余韻を空間にもたらす。また、平面や映像作品以外にも、朗読体験を通して人々の記憶をつなげるプロジェクトや、衣食住をはじめ我々の日常を取り巻く様々な側面を検証し球体型の家の実現を目指プロジェクトを進めている。近年参加した主な展覧会に、山形ビエンナーレ、documenta15(ドイツ、2022)などがある。
採集者/デザイナー/プリンター。山形県を拠点にフィールドワークやプロトタイピングを取り入れた制作を行なう。近年の事例に海や山から採集した素材で色をつくり、現代社会に実装することを目的とした開発研究「Foraged Colors」や「超・特殊印刷」がある。趣味はキノコの採集および同定。「London Design Biennale 2023」をはじめ、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material, or 」「もじ イメージ Graphic 展」「ゴミうんち展」などの展覧会に参加。
山形県上山市出身。学芸員として齋藤茂吉記念館に5年間勤務の後に山形美術館へ。郷土の作家からロシア・アヴァンギャルドまで、幅広いジャンルの企画力に定評がある。2024年11月に開催予定の展覧会、三瀬夏之介「ゆらぐ絵画」のキュレーションを担当。
人類学博士。山形大学学術研究院・教授(人文社会科学部担当)。南イリノイ大学非常勤講師、ハーバード大学ダンバートンオークス研究所ジュニアフェローなどを経て、現職。アンデス考古学を志し、26歳で渡米。南イリノイ大学人類学科にて島田泉に師事。これまで25年間にわたって、今から約千年前に南米ペルーの北海岸北部で栄えた「ランバイェケ(シカンともいう)」という先史社会についての考古学研究を行ってきた。また、コロナ禍を機に、近年は山形県を中心に介入型の文化人類学的フィールドワークを実施したり、人類学的な知見や技術を用いて、顕在化する社会問題への取り組みも積極的に行なっている。
アートディレクター/グラフィックデザイナー。株式会社Q1取締役/プロデューサー。デザインとその周辺をフィールドに、さまざまなアートプロジェクトの企画・制作はもとより、ギャラリーの運営からアーティストマネジメントなども行う。
主催:株式会社Q1(PlayQ)、山形市
企画:株式会社Q1、永岡大輔(ROLLING MOUNTAIN)
協力:松本剛、吉勝制作所、山形美術館
本件に関するお問い合わせ、ご質問等は以下までお願いいたします。
株式会社Q1 PlayQ担当
〒990-0043 山形県山形市本町1-5-19
TEL: 023-615-8099 FAX: 023-615-8098
E-mail: hello@qichi.jp